EDとは何か?原因と実態
私は50代半ばの独身女性ですが、最近同世代の男性と親しくなりました。しかし、いざ親密な関係になろうとしたとき、彼は十分に勃起できなかったのです。初めは「私に魅力を感じなくなったのでは?」とショックを受けましたが、後になって彼は自分がED(勃起不全)に悩んでいることを打ち明けてくれました。
ED(勃起不全)とは、性交の際に十分な勃起が得られない、または維持できない状態を指します。中高年の男性に多く見られる問題ですが、原因は様々です。身体的な要因(動脈硬化による血流不足、加齢によるホルモン低下、糖尿病・高血圧などの病気)や、心理的な要因(ストレスや緊張など)が複雑に絡み合って起こります。
ちなみに、日本の調査では高齢者のEDは身体的要因が主で、若年者では心理的要因が多いとされています。50代では血管・神経など身体の問題が中心ですが、「パートナーとの不安」や「仕事のストレス」など心理面の影響も無視できません。
50代男性のED:日本の統計
年齢とともにEDの有病率は高まります。例えば、40歳以上の男性では約4割がEDを抱えるとされ、50代でも同程度かそれ以上にのぼるとの報告があります。また、国内でEDに悩む男性は約1100万人に上るとも推計されており(日本泌尿器科学会)、多くの男性がEDに直面していることが分かります。
EDがもたらす夫婦・パートナー間の影響
EDは単に肉体的な問題に留まらず、夫婦やパートナーとの関係にも影響を及ぼすことがあります。男性本人は「自分はパートナーを満足させられないのではないか」という劣等感や不安を抱き、落ち込んでしまうことがあり、一方でパートナー側も「自分に魅力がなくなったのでは?」と誤解し自己嫌悪や不安を感じる場合があります。その結果、お互いに気まずさから性交渉自体を避けてしまい、スキンシップやコミュニケーションの減少に繋がることも少なくありません。このようなすれ違いが続けば、夫婦関係の悪化にもつながりかねません。しかし、EDは適切な対処によって改善し得る健康上の問題であり、お互いの理解と協力があれば乗り越えられる可能性があります。
EDの現実的な改善策
EDは適切な対策を講じることで改善が期待できる場合があります。ここでは、現実的に取り組める主な改善策をいくつか紹介します。
- 生活習慣の見直し: 適度な運動、バランスの良い食事、禁煙・節酒、十分な睡眠など生活習慣を整えることはED改善に有効です。特に喫煙は血管を傷つけ勃起力を低下させるため、禁煙に取り組みましょう。
- 医療機関での治療: 改善しない場合は泌尿器科などで相談しましょう。必要に応じてED治療薬(PDE5阻害薬)の処方を受けることで、勃起を補助する効果が期待できます。持病によって使えない場合もあるため、使用は医師の指示に従ってください。
- オンライン診療の活用: 病院に直接行かなくてもオンライン診療でED治療を受けられるサービスが普及しています。ビデオ通話などで医師の診察を受け、自宅で薬を受け取れるため、忙しい方や対面に抵抗がある方でも利用しやすいでしょう。
- 心理面へのアプローチ: ストレスや不安が強い場合、リラックス法やカウンセリングで心理的負担を軽減しましょう。また「絶対に成功させなければ」という焦りを手放すことも大切です。
EDに悩むパートナーを支えるには
大切なパートナーがEDに悩んでいるとき、そばにいる存在としてどのように支えられるでしょうか。本人だけでなく二人の問題と捉え、協力して向き合うことが改善への近道になります。以下に、パートナーを支える際のポイントを挙げます。
- 前向きに話し合う: セックスの問題はデリケートですが、避けずに率直に話し合いましょう。ただし「どうしてできないの?」などと責めるのは逆効果です。相手のプライドに配慮し、「一緒に解決しよう」という前向きな姿勢で臨むことが大切です。
- 受診を促す: 受診はED改善への第一歩です。恥ずかしがる場合は一緒に病院に行ってみようと提案したり、オンライン診療の情報を共有したりしましょう。「治療すれば良くなる可能性が高いよ」と前向きに促してみてください。
- スキンシップを大切に: 性交以外の方法で愛情を伝え合いましょう。ハグやキス、一緒に過ごす時間を増やすなど、スキンシップを意識してください。安心感が生まれ、結果的にプレッシャーが和らぐこともあります。
EDは恥ずかしいことじゃない。まずは一歩踏み出してみて
50代という年齢は、心と体にさまざまな変化が訪れる時期です。EDもそのひとつ。
でも、それを「もう年だから」とあきらめてしまうのはもったいない。
今は、誰にも知られずに相談できる環境も整っています。
「パートナーとの関係をもう一度取り戻したい」「自分に自信を取り戻したい」
そんなあなたを、私は心から応援しています。